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健康・医療情報提供サービス

栄養学コーナー
1.家族として知っておこう!ペットの栄養学

知って得する情報

食餌管理について
  ○どんなフードが良いのかしら
  ○ペットのライフサイクルに合った食餌管理とは?
  ○フードにお肉等混ぜた方が高栄養になって良いのかしら?
  ○ドッグフードを猫に与えてはいけないのかしら?
  ○牛肉100%ドックフード・グルメタイプのキャットフード、
      高価だし嗜好性もよいし、もちろん健康にも良いのでしょ?


どんなフードが良いのかしら

◆FUS(猫泌尿器症候群)という病気の様に、偏った栄養バランスのフードを給餌すれば様々な疾病を引き起こすことになります。愛情たっぷりの自家製フードも正しい栄養学的知識がなければペットを病気に陥らせる結果を招きます。 まずよいフードの条件とは?
  
  1. すべての必要な栄養素を正しい量とバランスで含んでいること。
  2.   
  3. それらの栄養素がきちんと消化・吸収・利用され得るものであること。
  4.   
  5. ペットがその栄養素必要量を満たす十分な量を喜んで食べるような嗜好性の高いものであること。
上記の項目を満足させるにはペットフードを利用することが手軽で確実な方法と言えそうです。しかし、残念ながらすべての市販のペットフードがこの条件を満たしているわけではありません。中には、嗜好性ばかりに重点を置き、栄養素のバランスの悪い商品(栄養不足だけではなく、最近では栄養過剰が問題になっています。)が多く出回っているのも事実です。
また理想的な栄養素濃度は、ペットの健康状態、活動性、機能、年齢等の変化同様、環境の変化によっても著しく異なります。ですからペットのライフスタイルに合わせた食餌を与えることが重要です。



ペットのライフサイクルに合った食餌管理とは?

まずペットの生涯の各段階によって栄養要求量が異なります。
即ち、健康維持・妊娠・授乳・離乳前後・老齢化・運動量・心理的ストレス・異常環境などの多用な状態に合わせた食餌が必要ということです。大まかに年齢を基準に以下の4つのステージに分けることができます。   
 
妊娠および授乳期

妊娠中は勿論、妊娠前であっても繁殖期の雌の栄養不良は、死亡率の20〜30%に関与する重要な要因であり、消化率の悪い品質不良の食物は、受胎率の低下・異常胎児・泌乳量の低下・乳腺の変化等の原因になることも注目しなければなりません。
ですから消化率の良いバランスのとれた高栄養の食餌が必要です。  

発育期

発育期の栄養要求量は、成犬・成猫のそれよりも高いことは明らかですが、最近の知見の注目すべき点は、この時期の疾病の原因の多くは誤った知識によるということです。一般的に骨疾患のほとんどは、カルシウムまたはビタミンDの摂取不足であるとお思いの方が多いと思いますが、カルシウムの過剰摂取は、骨軟骨症、動揺病症候群および成長率の低下と成熟体格の小型化、ミネラル(亜鉛等)の欠乏症、鼓腸、異アトニ等の疾病をも引き起こします。過ぎたるは及ばざるが如しの通り、適正にミラネルが増量された高エネルギ食が必要です。

維持期
適正以上の高エネルギー食は、肥満、腎臓の早期老化、腎不全等を引き起こします。運動量等に見合ったカロリー摂取になるように気をつける必要があります。また避妊や去勢手術後に肥満になるケースがよくありますが、これも体内環境の変化に依るものだとわかっていれば、食餌管理をきちっとすれば防ぐことが可能です。

老齢期

嗅覚と味覚は、低下し消化管の容量も減少するのでフードの嗜好性と消化率を良くしなければなりません。
腎機能、心血管系の働きが衰えるので蛋白質、リン、ナトリウムの摂取量を減らし、また、加齢に伴う消化器系と代謝機能の変化に対応するためにビタミンA、B1、B6、B12およびEと、皮膚および被毛の健康維持のために不飽和脂肪酸と亜鉛の増加が必要です。また運動量の減少に伴う肥満にも注意が必要です。



フードにお肉等混ぜた方が高栄養になって良いのかしら?

基本的には、高栄養のペットフードを給餌している場合不要です。むしろ栄養素過剰がバランスを崩し、ミネラル等の二次性欠乏を起こす等、有害な結果を招きます。ではここでペットに誤ってよく与えられている食品についていくつか例を上げてみましょう。


カルシウム、リン、ナトリウム、鉄、銅、ビタミンA、D、Eが少なく蛋白質を過剰に含んでいる。
生食では寄生虫を媒介する危険がある。


肉とほぼ同様であるが骨を細かくすりつぶすことによりカルシウムとリンの不足はまぬがれる。
魚によっては(特にコイとニシン)チアミナーゼという酵素を多く含むためにチアミン欠乏症を引き起こすことがある。
また猫において、多給により不飽和脂肪酸過剰になり黄色脂肪症になる。

油脂
食物のカロリー濃度を上昇させ肥満を招く。被毛の改善に必要なリノレン酸を多く含む植物油は有効。
ココナッツオイルは猫に脂肪肝症を起こす。

鶏卵
入手できる蛋白源としては最高である。生の卵白はビオチンを破壊するアビシンを含むので加熱が必要となる。

牛乳
カルシウム、リン、蛋白質、各種ビタミンのすぐれた供給源であるが、ラクトースを多量に含むので下痢を起こすことがある。
また多給によりカロリーオーバーになりやすいので注意が必要。

レバー
栄養価も高く疾病、衰弱、貧血の動物には効果的であるが、カルシウムが不足しており、レバーのみでは
速やかにカルシウム欠乏症を起こす。またビタミンA中毒、下痢を起こすことがある。

タマネギ
食餌中のタマネギ(加熱してあるものも含む)の摂取によって溶血性貧血、発熱、暗赤色尿の排泄等の中毒を起こし、時として死に至ることもあるので要注意の食物である。

チョコレート
これを好む犬は非常に多く、猫にも好むものがあるが犬猫に有害なテオブロミンを含んでいるので中毒に注意。

ここに掲げたのはほんの1例ですが、この様に私達人間の食性とペットの食性は異なっています。
欲しがるからといってむやみに与えたり、健康を思うあまり過剰な栄養を与えることは逆効果です。




ドッグフードを猫に与えてはいけないのかしら?

犬と猫は肉食類に属していますが、猫が一般的に肉食性の強い食性を示すのに対して、犬は雑食性です。
生理的に、また代謝的にも両者は異なります。例えば・・・

蛋白代謝
猫は肝臓中の酵素活性が高いため犬よりはるかに多くの(約3倍)蛋白質を必要とします。
又猫は、アルギニンとタウリンという特別なアモノ酸を必要とします。アルギニンをまったく含まない食餌を与えると1時間以内に高アンモニア血症を起こし、2〜5時間以内に重篤なアンモニア中毒症状を発現し死亡します。

犬もアルギニンを必要としますが猫に比べてはるかに少ない量で足ります。
犬は体内でシスチンから十分な量のタウリンを合成することができますが、猫は不可能のため、食物から摂取しなければなりません。タウリンの欠乏は中心網膜の変成による失明や心筋症の原因になります。

脂肪代謝
猫は、犬ゃ他の動物と異なり体内でアラキドン酸を合成することができません。したがって動物組織のみに含まれるアラキドン酸が必須脂肪酸として必要です。これが不足すると被毛は乾燥し、光沢を失い脆弱化し、スポット状の湿疹を起こして来ます。

ビタミン代謝
猫は、犬と違いビタミンB群の1つであるナイアシンを体内で合成できません。したがって犬より大量のそれが必要となります。
同様にピリドキシンも犬の4倍程必要になります。また猫は、犬や他の雑食動物ができるβ−カロチンからビタミンAの合成ができませんので、ビタミンAそのものが必要となります。

水の必要量
猫は、砂漠動物の子孫でありその形質が色濃く残っています。その一例に、尿濃縮率が犬に比べてはるかに高く、その結果水の摂取量が少なくてすみます。又、猫は昼夜の別なく水を飲みますが、犬は一般的に昼間だけです。
ですから猫にはいつでも水が飲めるように常に用意しておく必要があります。飲水量の増加は、高濃縮尿が原因の1つのFUS(猫泌尿器症候群)の予防につながります。
上記の様な、猫には他のペットに見られない特性があるため、ドックフードを与えているとたちまち栄養障害を起こします。
一度起こした栄養障害を治療するのは大変ですから、猫にドックフードを与えることは控えましょう。
又、逆に犬にキャトフードを与えた場合を考えると、犬にとって高蛋白質で嗜好性も高いフードになりますが、長期与えて いると腎臓の老化のみならず多種臓器の機能障害を来すことになりますので控えたほうが良いでしょう。



牛肉100%ドックフード・グルメタイプのキャットフード、高価だし嗜好性もよいし、もちろん健康にも良いのでしょ?

今日ペットの栄養障害で問題となっているのは、栄養失調よりもむしろ栄養過剰です。
これらのフードの問題点は、単一の原料を過剰に含んでいるということです。
例えば、肉と骨粉、鶏粉、魚粉などは粉砕された骨(灰分)を多量に含み、その結果カルシ ウム、リン、マグネシウムの濃度が高くなります。
ではそのことがどこに記載されているでしょうか?それらのペットフードには保証分析値という値が各成分について表示されています。

しかし、これはフード中の実際値ではなく最低値を保証しているにすぎません。それ以下ではないことだけです。
最高値や平均値は示されていません。ですからこの値から真の栄養価値を知ることはできません。

多いことはいいことだと思っていませんか?
そのことについて成長期のカルシウム摂取を例にみてみましょう。
食餌性カルシウムの過剰は、たとえ他に症状をおこさない程度の量であっても発育を遅れさせたり妨げたりすることがあります。
カルシウム2.3%のフードを与えられた子犬は、2.2kg増加し、体長が12cm伸びました。これに対して子犬1頭あたり小さじ1.5杯の炭酸カルシウムを毎日添加し、カルシウム濃度を4.3%に上げて与えたところ、体重は0.1kg減少し、体長はわずかに3cmしか伸びませんでした。(両フードのCa:Pはいずれも1.1:1であった)このことからも多ければ良いというものでもないことがお判り頂けると思います。

上記様にグルメタイプのフードのみで飼育することは多くの危険をはらんでいます。




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